貴女が私のアナザースカイ

 

 

アナザースカイを見て、私もあのちゃんも、あの時から5年が経ったんだなって感慨深くなった。

 

あのちゃんが当時所属していたアイドルグループの方向性や人間関係で悩んで笑えなくなって全員敵だって思ってた頃、私も同じく全員敵だって思ってこんな場所から早く逃げてやるって、毎日泣いてたね。

 

リアルタイムでグループ脱退のお知らせを公式Twitterで見た時は、私は徹夜の長丁場で、元気出す為にあのちゃんのライブtシャツを着て働いていた。

 

「今後のことは自分なりに考え、創作•発信していきたいと思います。ありがとうございました」

 

このコメントだけを信じて、その後の仕事は何とか乗り切った。表舞台からいなくなる訳じゃないよね?発信、してくれるんだよね?

 

今になって、あのちゃんは私の中で勝手にイマジナリーフレンドに近い存在だったんだなと強く思う。

勝手に一方的にこんな風に 友達 なんていわれて向こうは良い迷惑だろうけど、知らないおじさんに暴言吐かれた時とか、お菓子の袋が上手く開けられなくて中身散らばせた時とか、派手に転んだ時とか、定期落とした時とか、先輩に悪口言われた時とか、友達が友達じゃなくなった時とか、電車の中で奇声を上げたくなった時とか、初めて精神科に行った時とか、惨めでどうしようもない時とか、自分のことが嫌いで仕方がない時とか、誰の記憶からもスッと居なくなりたい時とか、いつも思い浮かぶのはあのちゃんの姿だったな。

本当に当時は誰も話す相手が居なくて愚痴をこぼすのにも体力が無くて、友達は居たけど、そんな話は態々したくなくて、申し訳なくて、休みがあっても誰にも会えなかったから。

あのちゃんを知れば知るほど、当時の尖ってたあのちゃんの解像度は低くなるばかりで、だからイマジナリーの中の私のあのちゃんは、いつも静かに微笑んでる宮沢賢治だった。

それあのちゃんじゃなくてもいいじゃん最早宮沢賢治じゃん、、、、

いやでもそうじゃないんだよ、私にはあの微笑みが必要だったんだよ。

あのちゃんじゃなくてただの偶像に依存していたのかといえばそうじゃない、私の中で「きっとあのちゃんはこんな事は言わないと思う」とか「あのちゃんならわかるって言ってくれる気がする」とかそのあやふやでも不安定でも、私はあのちゃんに話したかったんだよね。

 

規模は違くても、全員が敵だとこの場から逃げ出したいって思ってた時間が少しでも重なっていた事に今更ながら安堵したよ。

あのちゃんの言う通り、独りで悩んでいる訳じゃなかったんだねって答え合わせをした気持ちになれたアナザースカイ。

 

僕がみんなの居場所になる、と言ってくれていたので、貴女が私のアナザースカイ。です。草