音楽の好みと人間性

 

 

朝の支度をしている時、満員電車の通勤中、その日の憂鬱な事を洗い流す入浴中、眠れない夜、私は常に音楽を聴いている。

 

基本的に 私は元気を出す為に音楽に頼ることはない。気持ちが常に陰気臭いので 流行りのJ-popの明るい歌詞や曲調は 眩し過ぎるのだ。

人の音楽の好みはだいたい十代のうちに固まると言うがその通りだと思う。

鬱々とした気持ちに染まり、気持ちのいいところまで酔えるように それに寄り添った楽曲を好むようになった。

 

小説を読んでいるかのような気持ちにさせてくれる amazarashi

世間に知れ渡る前の捻くれた 米津玄師

聴きながら吸う煙草が美味い indigo la End

ジェンダーを見直すきっかけになった 女王蜂

明るいメロディに反して皮肉な歌詞を綴る Mrs.green Apple

クズな自分を代わりに卑下してくれる クリープハイプ

いついかなる時でも 全てを肯定してくれる ゆるめるモ!

 

どうしようもなく眠れない夜に小さい音量で耳元で必ず流すのは amazarashiの「冷凍睡眠」

16歳の冬、自分の弱さや醜さを受け入れてくれた 大切な友人が教えてくれたこの曲は 今も尚私の心の支えになっている。

 

音楽は偉大だ。聴くだけで見えない何かに、少し赦された気持ちになれるから。

 

音楽の好みが似ていると、根本的な人間性の合致に至る事も多くある。

気が滅入るような歌詞やメロディーを好む私だけれど、そんな音楽を通じて広げられた自分の世界だけは守りたいと常々思う。

 

安易に人に勧めたり、押し付けがましいことはしたくないけれど、それでも

自分のことを知ってもらうには 普段聴いている音楽を他人と共有するのが手っ取り早いのでは無いかと考えてみたり。