王と民

 

 

奴隷、肥やし、消耗品、犬、下僕、道具、使い捨て

 

言い方は色々あるけど、会社にとって私はそういう存在なんだろうなと思い知らされる場面に幾度となく出会してきた。

辞めることは、簡単だ。と人は言うけれど、ブラック企業に思考を脅かされている身としては組織を抜ける際に凄く労力を使うのだ。

辞める労力と続ける労力を天秤にかけた結果、約2年間今の会社にズルズルと籍を置いている。

だから、私が散々愚痴を言いながらも弊社で働き続けているのは、私の怠惰が招いた結果でありそれに文句を垂れるのは根本的にお門違いな訳だ。辞めたいなら行動を起こすしかない。

それも全部分かっている事なのだ。

 

弊社を国に例えた時、私は国に不満を持ちつつも、国家の組織を相手に武器を手に取る勇気もなく戦う姿勢を見せない、国の為に荒れた地を耕すことしか出来ない愚民だ。

平民たちがそれぞれ愚痴を零し合い、偶に飲む酒で己を保つ事で、この国が成り立っている。

ストライキやデモを起こす気力が、もう平民達には残っていない。そんな暇があるなら眠りたい、悪循環だ。

自分達にとって不利な方向へ物事が進むのをただ黙って見つめ、耐えながら生きている。

この国(会社)に私達の安息の地は無い。未来も希望もない。

 

そんな中、国を治める王の様態が宜しくないという噂が平民たちの耳にも流れ込んできた。

皆期待している、革命が起きるのではないかと。改革ではなく、今までの事柄を一掃し、新しい国に生まれ変われるのでは無いかと。

 

しかし

 

王は最後の最後まで、血反吐を吐いてもこの国にしがみつくだろう。爪痕を残す為に手段を選ばず国を守ろうとするだろう。民のこと等、毛頭考えてはいない、そんな王の元で我々は暮らしている。毎日怯えている。

 

もういっそ国が滅べば良いと思う。

平民たちでまた一から国を築きたい。

小さな国でいいから皆が平等に、健やかに過ごせる国を

 

小さな世界で生きてるよね、ほんとに