不幸福論

 

 

 

幸せになるのが怖い、という人は一定数居ると思う。

それは今迄経験してきた事や、生きてきた環境、関わってきた人々、犯した失敗、それ等によって幸福と感じるより先に、不幸を手に取りやすい状況下にいた人程、幸せが続く事が怖いと感じるという。

 

現に私もそうだ。何も起こらない、嫌な気持ちにならない、1日、1週間、1ヶ月、平穏な気持ちで居られるような事があれば、逆に不安になってしまう。後から必ず皺寄せが来る、調子に乗ってると痛い目にあう、慎ましく、謙虚に、保険をかけて生きよう。起こるかも分からない事案に、不安を抱かずにはいられない。

 

楽しい事を楽しいと素直に、好きな人を好きだと正直に、やりたい事をやりたいと宣言して実行する。たったこれだけのことで人は幸福を感じられる筈なのに、それが出来る人は限りなく少ない。幸福を掴むには労力が必要だから。

 

私にとっての幸福は、「活字を沢山読むこと」「結論の出ない事について考えること」「好きな人達だけと関わっていくこと」「あまり忙しく無いこと」

素直に、正直に書いてもこれくらいの事だけれど これらの事を全て叶えるにはそれなりに労力がいる。

そもそも「あまり忙しくないこと」が幸福な筈なのに、それを手にするには1度忙しくしなくてはならないという時点で難しい。

不幸、不幸だ、と嘆きながら毎日を過ごす事に逃げている。その方が心が反復しなくて楽だから。

 

幸せを素直に幸せと、喜べるような女の子にどうせならなりたかったな。

誕生日なのに(だから)ナーバスになってしまったせいで、少し、恋人の機嫌を損ねてしまった。

 

ごめんね、可愛げがなくて。